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Last Decade

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2006年 02月 11日

フォス・ド・イグアス 二日目

朝から晴天に恵まれた。エヴェリーナがどのように見学したら良いかを詳細に説明して暮れ、さらにはイグアスの滝がある国立公園の入口まで同じ宿に泊まっていたブラジル人夫婦の車で一緒に連れて行ってもらうことまで手配してくれた。駐車場手前で降ろしてもらうと、そこからは歩いて滝の方へ向かった。まだ滝は姿を見せないが、水が流れ落ちる地響きのような音は聞こえてきて興奮が高まる。途中でこの辺に済みついている野生のアナグマが歩いているのを見かけたが、もう人間の姿に慣れきっているのか、野生といってもすぐそばをなんの警戒心もなく動いていた。そのアナグマに迎えられた直後、目の前に滝がその姿を表した。その規模は自分の想像をはるかに超えていて、幅にしてどのくらいの距離になるのだろう、とにかく横に広い、それも幾重にも重なっていた。青い空、広がる緑、そしてその中を茶色く濁った水が怒涛の如く落ちる様子はまさに世界最大瀑布の名に相応しかった。感動した。これがイグアスなのかと、この旅でも一番のハイライトに考えていた滝を前にして震えるようだった。ところが、その前に広がっている光景はイグアスの一部でしかなかった。実は滝はさらに奥まで続いていて、滝それぞれの形が微妙に違って様々な姿を見せつける。同じ瀑布として比較されることの多いナイアガラだが、はっきりいってこのイグアスと較べること自体がナンセンスであり、規模からいうと足許にも及ばず、ナイアガラはこのイグアスに入ってしまえば、それを形成するひとつの滝でしかないとまで言っても過言ではなかった。ブラジル側では滝のすぐ近くを遊歩道が続いていて、間近に流れ落ちる姿を楽しめた。しかし、そこから湧き上がる水蒸気というか水しぶきで、歩いているうちにびしょびしょになってしまった。
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フォス・ド・イグアス 二日目_c0049109_2135865.jpgイグアスの滝ブラジルアルゼンチンの国境に位置している。ちょうどイグアス川が国境の役目を果たしているが、午前中にブラジル側を堪能した後、一度宿で着替えて、今度はアルゼンチン側に行くことにした。国境を越え、アルゼンチン側の街プエルト・イグアスのバスターミナルから滝までのバスが出ていた。アルゼンチン側はブラジル側よりも上流に位置するため、ちょうど滝が流れ落ちるところを上から眺めることができた。特に300ほどある滝の中でも最大のハイライトである「悪魔ののどぶえ」と呼ばれる滝の真上までボートで行くことができた。ボートは滝が始まる前の穏やかなイグアス川を進んでいくが、もしこのボートが転覆でもしたら、たちまち我々は滝に飲み込まれる運命にあり、けっこうスリリングであった。そして、その「悪魔ののどぶえ」を一望できるポイントに到着した。川をゆったりと流れてきた水が、突然地形の変化により、もの凄い落差で落ちていく様子はまさに悪魔のようで、またそこから響きわたる轟音は安っぽい言い方かもしれないが、自然の偉大さと人間の小ささを教えてくれた。アルゼンチン側では滝周辺のジャングルの中を遊歩道が続いていて、国立公園内に住む貴重な動植物を楽しむことができた。南米に行くと考えた時に、真っ先に訪れたい場所として考えていたのが、このイグアスの滝だった。その期待を裏切るどころか、はるかに上回る雄姿に何度体が震えたかわからなかった。

夕方、宿に戻るとエヴェリーナが感想を聞いてきた。スプレンディド・スペキュタクラー・マグニフィセント英語で知っている限りの単語を並べ、とにかく最高だったと伝えることはできた。この日の客は自分を含めて3人しかいなのだといい、リラックスできると喜んでいた。商売っ気がないと思いながらも、こういったポジティブ思考はぜひ見習いたいと思った。

by gonburimo | 2006-02-11 21:04 | South America 1998


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