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2005年 03月 17日

ミュンヘンーレーゲンスブルクーニュルンベルク

朝、ミュンヘンからレーゲンスブルクへ。実はこの街に行く理由があった。この時は別行動をしていた連れが日本から持ってきた本の中に、宮本輝の「ドナウの旅人」が含まれていた。彼が読み終わったその本を借りて読んでみた。その中でレーゲンスブルクという街が重要な場面で出てきたのだ。どうもそれが頭から離れずにいたという点。またウィーンに行ったとはいえ、ドナウ川を見ていなかったので、レーゲンスブルクの街中のその流れを見てみたいというのもあった。

ミュンヘンーレーゲンスブルクーニュルンベルク_c0049109_23394741.jpgレーゲンスブルク駅から街の中心に歩いていくと、大きな大聖堂がある。ここの合唱団がウィーンのそれのように大変有名であるとのことだった。ようやくドナウ川が見えてきた。まだこの時点では川幅はそれほど広くはないが、この流れがはるか黒海まで続いていると思うと、大陸の偉大さを感じずにはいられなかった。川にはドイツ最古といわれる石橋が架かっていた。ここからドナウを挟んでみる街並もなかなか印象的な眺めであった。このレーゲンスブルクからドナウ川を少し下ったところにあるヴァルハラ神殿まで船が出ていた。この神殿は19世紀始めに当時のバイエルン王ルートヴィヒ1世ドイツの偉人を祭るために、アテネパルテノン神殿を模して造ったものだ。船に乗っていると、彼方にそれらしき神殿が見えてくる。突然現れた神殿は辺りの風景からみても異様な雰囲気であった。

レーゲンスブルクの街を後にし、本日の宿泊地であるニュルンベルクへ。この街は第二次大戦の際に徹底的に破壊されつくしたが、戦後に住民の努力によって破壊前の街並に見事に復元されたことから「ドイツ復興の奇跡」と呼ばれているらしい。駅からメイン通りを進み、丘を登った最後に中世城壁の址であるカイザーブルクがある。この一部がユースホステルになっていて、ドイツ内でもかなり人気のある古城ユースなのであった。大層なドアから中に入ると、城をうまく利用した造りになっていて雰囲気がいい。また、この街で有名な食べ物にソーセージがある。小指ほどの太さのニュルンベルクソーセージだが、街中にこれを食べさすレストランがあり、ユースで一緒になった日本人と食べに行く。焼きソーセージだが、確かに美味い。いくらでも食べられそうだが、一緒に出されるジャガイモもあるので、結構腹にたまってくる。久しぶりに色々な場所をまわり、充実した一日を過ごせたと眠りについて数時間後、同部屋のドイツ人らしき男のいびきで目が覚めた。すごい音である。まわりのベッドももぞもぞしているところをみると、たぶん気になって眠れないのだろう。気にしないと思えば思うほど、不思議なもので気になってくる。もう限界だと思ったと同時に、自分のベッドから降り、彼のベッドに近寄って鼻をつまんだ。すると、ピタっと彼のいびきが止んだのである。拍手喝采はさすがに起こらなかったが、それまで部屋に蔓延していた緊張感が安堵感に変わったのは間違いない。その時の一アジア人の勇気ある行動は同部屋にいた旅行者の記憶の中に、今なお燦然と輝いているに違いない。

ユースで一番困るのはいびきである

by gonburimo | 2005-03-17 00:05 | Europe 1994


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