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Last Decade

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2005年 07月 27日

親の訪独 ゲッティンゲン

アウクスブルクからゲッティンゲンに着いた時にはすっかり暗くなっていた。ホテルにチェックインした後、近くのギリシャ料理屋に入って遅めの夕食とした。日本へ送った手紙の中で、よくギロスを食べていると書いていたので、がそれを食べたいといったからだ。20数年前にまだ若かったギリシャで食べて以来、思い出として残っていたらしい。ちなみには当時としては珍しいイギリスに留学した経験の持ち主で、行きはシベリア鉄道に乗ってヨーロッパに入り、帰国する際にはユーレイルパスを使ってヨーロッパをまわったらしい。僕が旅するようになったのも、彼女の影響が少なからずあるのかもしれない。

あくる日、授業が終わった後、マルクト広場で待ち合わせしておいたと合流した。午前中は街をくまなく見てまわったようだ。思っていたよりもにぎやかで雰囲気が良いと気に入ったようだった。昼食は広場近くにある立ち食いソーセージスタンドに連れて行った。やはりドイツではこれが一番美味しいと思っていただけあって、はこのブラートヴルスト Bratwurstがやけに気に入ったようだった。

食事をした後はゲーテの校舎と寮に案内した。授業は終わっていたが、多くの生徒がメディオテークで自習をしていた。案内がてら知りあいに会うとその度に立ち止まって紹介をしてまわった。日本人はともかく、他の国から来ている生徒もふたりがぺこりとお辞儀をすると見よう見まねでお辞儀をするのが見ていて面白かった。そんな中でこちらからお辞儀する前に日本人と同じように丁寧なお辞儀と挨拶をしたのが韓国の生徒たちだった。その自然な姿から、やはり韓国人日本人は似ているのだなと再認識した。寮の部屋にも連れて行って、ルームメイトのサートンも紹介した。こんな環境のいいところなら帰りたくもなくなるのもわかるというのが両親の感想だった。

夕食は旧市庁舎の地下にあるラーツケラー Ratskellerに行った。なぜかドイツのほとんどの街では市庁舎の地下にこのラーツケラーがあり、本格的なドイツ料理を食べさせてくれる。ドイツ人の先生がどこかの街で食事に困った時はそこに行けとよく言っていたが、ゲッティンゲンも例に漏れず立派なレストランがあった。ただ貧乏学生にはこんな時ぐらいでしか、とても入れるような値段ではなかった。肉料理が中心メニューで久しぶりに牛肉を堪能できた。

翌日の昼食後、ふたりは帰国するためフランクフルトに向った。何か必要な物があれば買ってやるとから言われていたが、特に欲しい物はなかったので断ると駅へ向う途中、これで何か食べろと100DM紙幣を一枚渡してきた。後にも先にも、から現金を貰ったのはこれ一回きりである。外国に来て財布の紐が緩んだのかと思ったが、隣を偶然歩いていた見知らぬドイツ人がそれを見て、「いいお父さんだね。」と声を掛けてきた。日本円にすれば7,000円程度であったかもしれないが、その時は思いがけず、素直に嬉しかった。

by gonburimo | 2005-07-27 22:10 | Germany 1996


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